棒球(a boring ball flight)

ボールの飛距離というのは、打ち出しの初期条件(ボール初速、打ち出し角、スピン量)によって大きく変わるので、誰が打っても飛ぶクラブというのは存在しません。ただ、「飛ぶ弾道」というのは確かにあって、それは俗に「棒球(a boring ball flight)」と呼ばれたりしています。

適正な打ち出し角とスピン量で打ち出されたボールは、途中で失速したり吹き上がったりせずに、最高到達点まで直線的に飛んでいくことになります。そして、全体としては緩やかな放物線を描くので大きなキャリーが出ることとなります。これが棒球のイメージですね。

棒球を意図的に打つにはスピンのコントロールが何よりも大切になります。上級者ほど、ヘッドの入射角を緩やかにしたり、打点を(スウィートスポットより少し上に)変えたりしてスピン量を減らし(順回転とはいかないまでもこれに近い回転で)、飛距離を稼ぐ技術を身につけているということです。初級者の場合は、技術でどうこうするのは現実的ではないので、打ち出しの初期条件ができるだけ最適になるようなクラブを使うということが大事になってきます。

ちなみに、「棒球」を英語にすると”a boring ball flight”となる。”boring”は「退屈」という意味ではなく、地面を掘削する「ボーリング」と同じで、「じりじりと前に進む」という意味となります。

ビッグ〇ミック オリジナルに現在連載中の漫画に「風の大地」(原作、坂田 信弘、画はかざま 鋭二)というのがありますが、この漫画に「棒の球」のことが良くでてきます。鹿沼ゴルフクラブで研修生の時に体得したという設定なのですが、強烈なアゲインストの風の中でもこの風に負けない強弾道のボールを打つのですよ。

如何に漫画の世界とはいえ、うらやましい限りです。まあ、現実にはそううまくはいくはずもありませんが、あきらめず夢と希望を持って、チャレンジしていきたいと思います。皆さんはいかがですか?