ゴルフ用語辞典 ミート率(smash factor)
ミート率(smash factor)
ドライバーの飛距離を決める3要素(ボール初速、打ち出し角、バックスピン量)のうち、最も簡単に飛距離に結びつきやすいのは、ボール初速ですよね。このことは、ヘッドスピードが速い人のほうが飛ぶ(一部例外もあるが)という事実を考えるとわかりやすいでしょう。それでは、ヘッドスピードが上がれば、それに比例してボール初速もアップするのかというと、ことはそう単純ではありません。ヘッドスピードの他に、ボール初速に関わる重大な要素がもうひとつあるからです。その要素が、「ミート率(smash factor)」となります。
ミート率は、ボール初速÷ヘッドスピードの数値で表されます。ヘッドスピードが40m/sで、ボール初速が60m/sなら、60÷40=1.5で、ミート率は「1.5」となります。一般的にミート率が1.4を超えると、効率的に飛ばしている部類に入るということらしいです。理論上、ミート率は1.56くらいが限界(最近では1.50位といった説もあります)とされているのですが、そんな中でプロゴルファーのミート率は1.5を超えている場合もあるようです。
単純に考えれば、如何にクラブヘッドの芯でボールを捉えるかという「命題」になるのですが、クラブヘッドの反発係数 (COR)、クラブヘッドの重量、ロフトやスイングの軌道によって決まるフェース面とボールが当たる角度、そして、クラブとボールが接している時間の長さ (即ち、クラブヘッドの加速度) などにも影響されます。そして、それらの要素を トータルし、如何に上手く、また、効率良くボールを打てているか等、細かく言えばそうそう単純ではないわけです。
ちなみに、ミート率が飛距離に与える影響は多くのゴルファーが考えているよりはるかに大きいのですよ。仮にヘッドスピードが45m/sで、ミート率が1.35なら、45 × 1.35 = 60.75で、ボール初速は60.75m/sとなりますよね。これが、ヘッドスピード43m/sでも、ミート率1.45と高ければ、同様の計算でボール初速は62.35m/sとなってしまいます。
つまり、ヘッドスピードが遅いほうが飛ぶという逆転現象が起きてしまいます。女子プロゴルファーが、時にはヘッドスピードに勝る一般男子アマチュアより飛ばすことができるのは、ミート率が極めて高いからなんですね。
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