ゴルフの科学的考察 3 風の影響について
皆さんにとって、コースを回る際にもっとも手こずる天候要素は雨・風・熱さ・寒さ・霧・雪・その他のうち、何でしょうか?察するところ、風の影響ではないでしょうかね。
雨の日のラウンドも結構大変ですけれど、余程の強雨でない限りは何とかなりますよね。けれどこれに風が加われば、お手上げになってしまいませんか?暑さ・寒さは我慢すれば良いですし、雪の時のプレーはまず行かないでしょうしね、霧は晴れるのを待てば・・・・、どうしようもない時もありますよね。
結局、風による影響が最もプレーの際に出会う確率が高い天候要素だということでしょうね。 ともかく、風は10m/sもあれば、無風に比べてクラブの番手が2~3番手程違ってきてしまいます。更に風向きもフォローもあれば、アゲンストもありますので、その対応は単純とはいきませんよね。加えて横風ともなればその狙いどころは20~30yも右・左を狙うことになってしまいます。
このような状況になると我々アマチュアにとっては、スコアーが最低でも5前後は変わって(悪くなる)も不思議ではありません。風の影響恐るべし!ってところでしょうか。
それでは具体的に風が与える影響とはどんな感じになるのでしょうか?平均的なアマチュアのヘッドスピードを40m/sとして、アゲンスト5m/sの風でドライバーを打った場合、約17yも飛距離が落ちてしまうとのデータがあるそうです。逆に同様のフォローだった場合は、12y飛距離が伸びるとの事のようです。結果的にはアゲンストの風が与える影響の方がフォローよりも大きいということになりますね。
アゲンストの場合、風によってボールの相対速度(風速+ボールの速度)が上がる分、ボールの得る揚力も比例して大きくなってしまうことで無風時に比べより吹け上がりやすく(上昇角度が大きく)なってしまうこと、加えて吹け上がった分落ちる際にもより風による影響(下降角度が大きくなり)を受けて飛距離が二重に落ち易くなってしまうからです。
アゲンストの際のアドバイスに「アゲンストの時にはボールを強く打ってはいけない」というのがありますが、強く打てばバックスピン量が増えてより吹け上がりやすくなることを戒めている「理に叶ったアドバイス」ということですね。
併せて、アゲンストの際の対応策としては、ティーを低くセットしてスウィートスポットの下部でインパクトを迎える様に打つことです。こうすることで打出し角度を低くし、上昇角度を低く抑え(吹け上がりを防ぎ)ボールの飛行軌道最高点付近の風による影響を最小限にとどめ、加えて下降角度を小さくできる(上昇角度が小さいと下降角度も小さくなる)ことで飛距離のロスを最小限にすることができます。
追い風・横風の検証については、長くなりましたので次回以降といたします。
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