ゴルフの科学的考察 クラブのトルクについて
前回までにクラブ選びに関する様々な要素について記載してきましたが、今回のゴルフの科学的考察は、ゴルフクラブの「トルク」についてです。
さて皆さんは「トルク」という言葉を聞かれるとどのようなことを思い浮かべますか?そうですね、まず思い浮かぶのは車のエンジン性能についての言葉でしょうか?トルクはおもに工学、特にエンジン・電動機・発電機・タービン等の機械・機械工学で用いられることが多いようです。感覚的には「エンジンを回そうとする力の強さ」とでも言いましょうか。
辞書で調べると以下のような記載があります。
トルクは、力と距離の積(外積)で表される量(モーメント)である。力の単位はN(ニュートン)だが、トルクの単位はN・m(ニュートンメートル)である。物体を回転させるために必要な力は、どこを押すかによって異なり、一般に回転軸(中心)からの距離に反比例する。
正確な言葉の定義としては、「固定された回転軸の中心に対して働く回転軸周りの力のモーメント」という事になりましょうかね。
力学では、トルクNは次のように定義されます。
ここでFは物体に加わる力、rは回転の軸からみた力の加わる点までの距離(ベクトル)を表す。トルクNはベクトル量であり、Nの向きを進行方向とする右ねじ回りに物体を回転させる効果をもつ。Fが等しいとき、腕の長さrが長いほうが物体を回転させる効果 (N) が大きいという事になりますね。
これとゴルフクラブとにどのような関係があるのかと言いますと、ドライバーを想像してみてください。クラブシャフトの先にクラブヘッドが付いていますよね。クラブシャフトの中心軸とクラブヘッドの重心位置の関係は同一軸上ではなく、いくらかの距離があることはお判りだと思います。
この距離があることでゴルフのスイングに於いては、クラブのシャフトを軸としてヘッドが回転(捻じれる)するためにシャフトに対する回転モーメントが発生することになります。この回転モーメント(捻じれ)の強さを表したのがトルクという事ですね。
長くなってしまいました。続きは次回という事で・・・・・・。
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