ゴルフ用語辞典 スタイミー(Stymie)

スタイミー(Stymie) を辞書で引くと、以下の様な記載があります。

【動詞】 邪魔をする、妨害する、窮地に追い込む、進歩・達成を妨げる。
【名詞】1 行き詰まって窮迫した状況
2 ゴルフの グリーンでホールと打者のボールの間に他者のボールがある状態

ゴルフの場合は、当然ですが名詞の2に該当します。

以前、マッチプレーでプレーヤーのボールとホールの間に相手のボールがあることを「スタイミー」と言っていたそうです。最近はボールとグリーン方向との間に高い樹木等が邪魔をして直接グリーンが狙えないような状況のことを「スタイミー」と呼んでいます。

現在のトーナメント形式が一般化する前のプロの試合は、そのほとんどがマッチプレーであり、その当時のプロにとっては「スタイミー」は切っても切れない料理の隠し味(胡椒・薬味・わさび)のようなものだったようです。

「スタイミー」な状況をわざと作り出したり、その状況から如何にして脱出・カップインさせるかといった、技術がプロのプロたる所以になっていたようですね。

「スタイミー」は相手のボールの進路を妨害することであり、結果、相手に有効なパットのチャンスを与えず、ナイスショットを凡庸なショットへ変え、加えて相手の調子を乱してトドメを刺すといった、必殺の技でもあったのです。

更に、仕掛けられた側も様々なクラブを駆使して、ボールを上げたり曲げて転がしたり、ボールに様々な回転を付けたりして、「スタイミー」を回避する技で対抗したのでした。

当時のプレーヤーにとっては「最も名誉ある不慮の出来事」として好んだ人と、嫌った人がいて、次第に嫌う人が増えていったようです。

結果1941年の改定ルールから「スタイミー」は禁止とされ、ルール規定の第22条「プレーの妨げになるボール」は拾いあげてもらうことが許されるようになりました。

かの有名なプロであるB・ジョーンズは「私が思うに、これは間違いだったということが一つあるとするなら、それはスタイミーを削除したことだろう」といったそうです。

面白みが無くなった(少くなった)ということでは、確かにその通りかもしれませんね。

とは言え、現在ではストロークプレーが主流ですので、ルールが改正されなかったとしても影響としては、左程ではなかったのかもし
れませんね。

皆さんはどう思われますか?