誤解されやすい基本 11 スイングは手打ちではいけない

手打ちじゃダメなの?

これもよく耳にする言葉だと思います。「手打ちなってるよ、ボディーターンで打たなきゃ!」とっても良く耳にしますよね。それでは、本当に手打ちはダメなのでしょうか?。このように考えること自体が既に誤解の迷路に入り込もうとしてる一歩なんですよね。ですが、言われている言葉だけを聞いてしまうと、まるで「ボディーターンだけで打ちなさい」と言われているように勘違い・取り違いをしてしまいそうです。

スイングは手だけでも、ボディーターンだけでも成り立ちません。双方が巧く協力しあって、バランスが取られてこそ、正しいスイングが完成するものです。この言葉がどのような状況で発せられたのかを想像してみると、おそらくゴルフ初心者が手だけで振っているスイングを見て、この初心者へ対して言われた言葉だと思います。そしていつの間にか前半・後半部分がそれぞれで一人歩きを始めてしまい、「手で打つのはダメ」・「ボディーターンで打ちなさい」と言う風に誤解されて行ったのでしょうね。分離させてはだめ!なんですね。

スイングを分解すると・・・。

スイングは手打ちとボディーターンの双方の協力・バランスがあってこそ完成すると言いました。では具体的にはどういうことなのでしょうか?。簡単に言えば、手打ちが担当しているのがスイングの縦方向の部分、ボディーターンが担当しているのがスイングの横方向の部分ということです。まだ判りにくい?。そうですね、もう少し詳しく分解してみましょうか。

スイングの縦方向の部分というと、「クラブシャフトをアドレスの位置からトップの位置まで持ち上げて、そこからアドレスの位置まで振り下ろし、再度フィニッシュの位置まで振り上げる」ということになります。剣道の素振りを正面で止めないで下まで振り下ろした感じをイメージしていただければ、良いかと思います。手首も上下にコック(水平から上)・アンコック(水平から下)の反復になるのが良く判ると思います。

では、横方向の部分はというと、クラブシャフトを体の正面で水平に、肩のラインとスクエア(直角)になるように構えて(アドレスの位置です)、腕を動かさないで(ボディーターン)右へ体の真横(肩のライン後方)まで回転(ここがトップの位置です)、します。そこから体を元の位置(アドレスの位置)へ、その後左横(肩のライン前方)まで回転させます。こちらでは腕(前腕)が、正面→右→正面→左といった回転を伴います。※手首を動かしてはダメですよ、腕です。手首は固定したままで腕を回転(右側へは右腕を、左側へは左腕を)させましょう。

以上簡単に分解してみました。本当はこれに体重移動(重心移動)と云うスイング軸の横の動きと、軸が傾いている(前傾姿勢と・右への僅かな傾き)ことによる斜めの動きが加わるのですが、この辺はまた別の機会にということで・・・。

ですが、この辺の理解は、正しいスイングを完成させる為には絶対に外せない重要な部分理屈)ですので、じっくりと読み返してみて下さい。

ともあれ、スイングは「手打ちじゃダメ」・「ボディーターンで打て」ではなくて、「手打ちとボディーターンを、上手に組み合わせて行わなければはならない」ということでした。