ゴルフ用語辞典 エチケット(Etiquette) その弐

エチケット(Etiquette) その弐

前回からの続きです。エチケット(Etiquette)コース上での礼儀作法の後半です。19世紀半ばになってようやくエチケットに対するルールが必要と考えられるような動きが始まったのです。

その後19世紀の終わり近くになると、ゴルファー人口が飛躍的に増大し、結果として行儀の問題が大変大きくなってきたのでした。そうしてR&Aにおいて、ルールの条項からエチケットを分離して、単独の章として10条の項目を作ることとなったのでした。この中にはコースの保護に関する記述もあり、ターフの取り扱い(切り取られたターフは、直ちに元にも出さなければならない。)と、バンカーの中に作った穴を埋め戻さなければならないという条項が入れられたのでした。

エチケット(Etiquette)の語源は、フランス語にあります。誇り高き英国が何故フランス語を取り入れたのでしょうか?普通であれば考えられないことのように思えますが・・・・。元々のエチケットの由来はフランス語のstick(スティック) 杖にあるとのことで、これがスコットランドに渡り、棒(stick)となり、ゴルフのクラブの意味に変化したようです。ちなみにグリーン上に立っているピンも正式にはflagstick(旗竿)と言いますよね。

また、stick からsが取れて、英語のticket(チケット)、フランス語のエチケット(etiquette)に変化して、意味は紙片⇒貼り札⇒ラベル(フランスでは、ワインのラベルをエチケットとも言います)となったようです。これがさらに礼儀作法と言った意味になるのは、宮廷に於いて重要な儀式の礼式を小さな覚書のカード(紙片)に記載したことに由来するようです。

R&Aが Behavior ビヘービア(行儀)や Manners マナーズ(一般的な礼儀)を使わずエチケット(礼儀作法)にしたのは、外来語であっても、語源がゴルフに関するものであり、併せて重要な作法としてルールブックの第一章に「覚書き」として抜き出した、といった理由があるからなんですね。