ゴルフの科学的考察 シャフトの「調子」について その弐

前回からの続きです。

それでは、各調子の特徴はどのようなことになるのでしょうか?この辺について記載してみますね。
①先調子
元々柔らかい先端部分が更に柔らかくなっている為、インパクト直前の「しなりの戻り」のテンポが速くなり、俗に云われるヘッドが走るといった状態ですね。このためボールの捕まりが良く、左へ行きやすいことになります。また、インパクト時のロフトが大きくなりますので、弾道がその分高くなります。

②中調子
シャフト全体が一体化してしなるとでもいう感じ、しなりが全体的に一様になる感じとでも言いましょうか。最も無難なシャフトの様で多くのメーカーの純正品の大半が中調子となっています。

③元調子
手元が柔らかいといっても、もともと手元部分は硬い訳ですから、結果的には一番しなりを感じにくいシャフトという事になります。先調子とは逆でボールの捕まり過ぎがないので、左へ曲げる人にはちょうど良いかもしれませんね。また、インパクト時のロフトも大きくならないので、弾道は低めとなりますね。

この他、「粘り系シャフト」とか「弾き系シャフト」とか呼ばれるものがあります。これらは上記の調子を基本として、相対的にセンター部分の柔らかさを前者は更に柔らかく、後者は硬めにしたものになります。粘り系シャフト」はシャフトのしなりが感じやすい為切り返しの”間”が作り易く、結果的に手打ちになりにくい(クラブシャフトの方で勝手に”間”を作ってくれるとでも言いましょうか)といった特徴があります。

弾き系シャフト」と呼ばれるものは、しなりの戻りが一気に来るため、スイングテンポの速い人に向いているという事になります。ためが強すぎてボールが捕まり過ぎる場合には良いシャフトとなるでしょう。

と言っても体力的なものはそれぞれですし、それこそ相対的なものですから、いくら「元調子」と言っても、力のある人には「中調子」くらいにしか感じない場合も有るものと思われます。要は、自分のスイングに合ったものを如何にして選ぶのか?という事に尽きるようですね。従って、調子の表示もクラブ選択の際の「目安」として捉えるべきもののようです。

ということで、如何でしたでしょうか? 次回はもう一つの「クラブ選択に影響を与える要素」、「トルク」について追加記載をしたいと思います。乞うご期待!?