誤解されやすい基本 20 テイクバックでは両膝の高さを変えるな!
「テイクバックでは両膝の高さをかえるな!」
これも初心者への指導でよ~く言われている言葉ではないでしょうか?。
初心者への指導の過程で、スイングを安定させるための一つの方便とでもいいましょうか、スイングにおけるインパクトの重要性を理解してもらうきっかけの一つの言葉だと思われます。正確に言えば間違っているのですが、「間違っている」と簡単に一言で片付けられないものでもあります。レッスンプロでも「判っている上で敢えて」この様なことをいう場合があるということですね。
同じような指導に「右膝を流すな」「右膝の角度を変えない」といったようなものがありますが、このどれもがスイングのインパクトの精度を上げるためにいわれているようです。人間の体が機械ならばこれでも良いのですが、いかんせん人間には筋肉があり、これが上手くコントロールできたりできなかったりしますし、ましてや感性があり、尚且つ感情というなかなか制御しにくい厄介なものがついて回りますので、この様な機械的な動きは大変難しいものになってしまうわけです。
不自然な動き
人間の体は様々な筋肉が連動して動くものですので、どこか一つ固定してしまうとそれに伴い可怪しくなる筋肉ができてしまうのです。要するに不自然な動きになってしまいがちなのですね。
今回の「テイクバックでは両膝の高さをかえるな!」といった指導を受けた初心者の多くは腰が回らなくなってテイクバックそのものが浅いものになったり、傾斜のあるライでの柔軟な体の動きができなくなってしまう場合がほとんどではないでしょうか。実際のゴルフコースの場面では、両足(膝)の柔軟な動きがないと微妙な傾斜のあるライでのスイングにおいてボールを綺麗に捉えることはできません。
自然なテイクバックは遠心力により少しばかり右に回されます。というか、背骨のやや後ろを回転軸の中心とした場合はテイクバックで肩を回すわけですから当然これに連れて腰も回るのが当たり前になります。その結果(腰が右に回れば)股関節が動いてトップの位置ではその分膝の関節は伸ばされることになります。当然アドレスのやや沈んだ膝に比べ、この位置よりも伸びた形になる訳です。そしてその分左膝が右膝よりに曲がってバランスを採ることになります。
きちんとしたスイングの回転運動による肩の回転(約90度の回転)+腰の回転(肩の半分で45度位)+右足の踏ん張り(伸びた膝と太ももの内側での抵抗)+左膝の右足への寄せ=捻転差のあるテイクバックの完成=力強いスイング ということになるわけですね。
結論を言えば、両膝の高さは変わって(右膝は伸びて、左膝は曲がって)当たり前(自然)ということになります。
関連記事
この記事を読んだ方へおすすめの記事はこちら