ゴルフの科学的考察 パッティング 追記 その弐 距離感の錯覚!?

前回に続きパッティングについての科学的考察の追記、2回目です。

パッティングについてはさすがに記載すべきことが多いようです。距離は短くとも1打は1打ですし、多くのアマチュアが抱えている悩みも多いと云う訳でしょうかね。今回のテーマはグリーン上の距離感についてです。意外と気にしている方が少ないような気がしているのですが、いかがですか?あなたはグリーン上の距離感について気にしていますか?

なんのこと?と思った貴方は要注意ですよ。まずは傾斜が下りの場合ですが、良く言われる言葉に「下りはオーバーしやすい」と言うものがあります。では逆に傾斜が登りの場合は?これは上記とは逆で「登りはショートしやすい」と言われますよね。もちろん傾斜を甘く見たが故の結果なのですが、では何故?甘く見てしまったのでしょうか? これには理由があります。実は、「目の錯覚」からと言う場合が多いと言われています。

科学的にアプローチしてみましょうか。

ではまず、一般的な水平のグリーンの場合を考えてみましょう。ボールとカップの距離(当然ですが水平距離)を、仮に2mとしましょう。特に錯覚を起こす要素はありませんよね。これを基準として覚えておいてください。では下りの傾斜、判りやすくするために30度の傾斜としましょうか、学生時代に戻って距離の計算(三角関数)をやってみてください。具体的に計算してみると、直角三角形の鋭角30度であれば、高さ:斜面の長さ:水平距離は1:2:√3 ですので、下りのカップとボールの距離は斜面の長さになりますから、水平距離が2mの場合斜面の長さは、2÷√3×2=となり、約2.31mとなりますね。更に高さが2.31÷2で1.115mとなります。

ということで、下りの斜面の場合は、上記の計算に加え打つ人の身長(目の高さ)が加わるので、実際の距離よりもさらに遠く感じてしまいます。逆に登りの傾斜の場合は、斜面の距離は同じですが、カップの位置が高く(1.115m)高くなった分、打つ人の目の位置により近づいたことになりますので、とても近く感じてしまいます。図に書いてみればよく判りますよね。※この度合いは傾斜に比例します。

結論として、上記の目の錯覚によって下りは実際より遠く感じる結果、より強めに打ってしまいオーバー、逆に登りの場合は実際より近くに感じてしまう結果、つい短めのタッチで打ってしまい、ショートしてしまうのではないか?と言うことなのです。この錯覚を避けるためには、カップまでの距離をしっかり歩測すること、傾斜を横から見て確認することでしょう。

ちなみに高低差が10㎝違うと、約1mの転がりのプラス・マイナスが生じるとのことです。あくまでも大まかですよ。例えば高低差が10㎝の下りで距離が5mだった場合は4mの距離感で打てばよいということになります。逆に登りの場合は、6mのつもりで打てばOKと言うことですね。これ結構使えますよ。