スタジアムコース（stadium course）

トーナメント開催を念頭に、ギャラリーの観戦スペースを設計に盛り込んだコースがアメリカには結構あるそうです。こうしたタイプのゴルフコースを、「スタジアムコース（stadium course）」と呼びます。多くのギャラリーやカメラ・クルーなどがトーナメントのために入ってくることを前提にしたデザインのコースになるわけですが、その中でも 特に 多くのギャラリーを収容できるコースのことです。

スポーツを、ショービジネスとして成立させるという点において、アメリカは世界一の先進国といっていいでしょう。メジャーリーグしかり、ＮＢＡ（プロバスケットボール）しかり、ＮＦＬ（プロフットボール）しかり。ＰＧＡツアーももちろんビジネスとして成功し、年々規模を拡大していますよね。

観客を呼ぶためには、観客がプレーを観戦しやすい環境を作ることが大事。この観点から、設計段階から最終ホールを多くの観衆に観てもらえるように考慮されています。その最大の特徴は、グリーン（特にフィニッシングホール）の周囲が、放射状に小高くなっていることです。まるで野球やフットボールのスタジアム、あるいは円形劇場のように、ギャラリーからプレーがよく観えるようになっている訳ですね。

ちなみに、アメリカ・フロリダ州・ジャクソンビルにある、「ＴＰＣソーグラス（The TPC at Sawgrass）」が、スタジアムコースというコンセプトを知らしめたという意味で、最も有名なコースだと思われます。このコースでは、準メジャートーナメントと目される「プレーヤーズ選手権」が開催されています。ここの名物ホールは、完全な浮島グリーンの17番・ショートホールになっています。

本来のゴルフコースにプラスアルファーの価値観・考え方があるようです。日本ではなかなかそのようなコンセプトのコースは難しいでしょうね。