誤解されやすい基本 6 スイングはゆっくり振れ
「スイングはゆっくり振れ」とは?
この頃良く聞くアドバイスの一つに「スイングはゆっくり振れ」というのが有ると思います。例えの引き合いに多く出されるのが宮里 藍 プロのスイングではありませんか?
確かに彼女のスイングはゆっくりしているように見えますが・・・・・・、多くの人がここで、「スイングスピードはそんなに早くしないほうが良いのか」あるいは「ゆっくり振った(スイング)した方が良いんだ」といった誤解をしているようです。これもその他の誤解と同じくその一部(或は全体のこととして)しか見ていない為に起る誤解です。
この「スイングはゆっくり振れ」というのは、「振り(スイングスピード)が早い、だからもっとゆっくりスイングしろ!」と言っている訳ではありません。よく考えれば当然のことですが、スイングスピードは早い方がボールを遠く迄飛ばす事が可能になります。
では、何を「ゆっくりしろ!」と言っているのでしょう?
正解は、「バックスイングが十分でないうちにダウンスイングに入ってはダメだ」ということです。俗にいうタメが出来ないうちに打ちに行ってしまっている状態を戒めているという事です。もっと簡単に言えば、「まだタメが出来てないから打ちに行くタイミングが早いので、もう少し待って、タメを作ってからダウンスイングを開始しなさい。」と言っている訳ですね。
結論としては、「スイングの早さではなく、ダウンスイング開始のタイミングの早さ(切り返しのタイミング)」について言われている言葉であるという事です。
この違いを正しく理解しないまま、アマチュアゴルファーはミスショットをすると、「スイングが速いよー」の大合唱が起ってしまうといった場合が多いのではないでしょうか。ですが、単にスイングのスピードを落としたところで、肝心・要の切り返しのタイミングは直りません。
宮里 藍 プロのスイング・・・
例えば宮里 藍 プロのスイング、彼女の場合なぜあのようにゆっくりとした感じに見えるのか?、これは彼女がテイクバックをゆっくり上げているからですね、テイクバックをゆっくり上げながらクラブの軌道がキチンとした場所を通っているのかを確認、というか大きな筋肉を使って、練習と同じように上げているからです。といってダウンスイングのスイングスピードが遅い訳では決してありませんよね。トップの切り返しからフィニッシュまではゆっくりではありません。
以前にも「ゆっくりした動きの繰り返しで大きな筋肉に動きを覚え込ませる」といった話をしましたが、大きな筋肉は記憶する事は得意ですから、これによって安定したスイングプレーンが出来てきます。あとはこの動きをスピードアップすれば良いのですが、スピードアップの為にはその基礎となる筋力のアップが不可欠です。これには男女差・個人差があるので、各自の筋力に応じたスピードでスイングすることになります。
宮里 藍 プロは決して飛ばし屋ではありません。というかはっきり言えば飛ぶほうではありません。ですが、世界ランク4位(5月8日現在)にランクしています。これは正確なショットが大きな武器となっているからです。この正確なジョット(最近のフェアウエイキープ率では、トップだと思います)を作っているのが、あのゆっくりとしたテイクバックから繰り出される安定したスイングプレーンによるスイングなんですよね。彼女の体力・体型に合っているという事で、取り入れているという事でしょう。※クラブの選択・クラブの性能・特性も重要です。
ということで「スイングはゆっくり振れ」はダウンスイング開始のタイミング(早さ)についての言葉という事でした。皆さん、くれぐれも誤解されないようにして下さいね。
関連記事
この記事を読んだ方へおすすめの記事はこちら