誤解されやすい基本 31 フォロースルーでビュッ!と音が鳴るように振れ

ヘッドスピードが最も早くなるのはインパクトの時になるべきですよね。インパクト後にいくら早くなってもボールに与える力は伝わらないので飛距離は伸びません。これは理屈です。あまりにも当たり前すぎて気が抜けてしまいそうですが、「フォロースルーでビュッ!と音が鳴るように振れ!!」というのは、上級者のスイングを見て、そのように見えてしまうことから言われているアドバイスだと思われます。

それでは何故そのように見えてしまうのでしょうか?

単純な理由からそのように見えてしまいます。それは、光と音のスピードの差に原因があります。確かに上級者のスイングを見ているとフォロースルーでビュッと音がしているように見えます(聞こえます)が、光のスピードが30万キロ/秒(地球を7周半回ってしまいます)に対し、音のスピードはわずか345m/秒位(気温20~30度とした場合です。正確には v=331・5+0・6t の公式で求められます。tは摂氏温度です)しかありません。

光と比べると100万分の一のスピードしかないのです。ですから、スイングのインパクトの瞬間にビュッと音がしても、光のスピードの方が速いため、見ている人にはスイングのフォロースルーの位置に来たころにインパクトの瞬間の音が届くと言う訳です。見た目にはこのような映像と音のずれが生じているのです。

従って、スイングを行う場合には、フォロースルーで「ビュッ」と鳴る様にスイングするのは間違いだということになります。僅かですが、そこに微妙なずれが生じてしまいますので、気持ちとしては、ボールに当たる前にヘッドスピードが出るようにしなければならないということになります。

要は、インパクト前のダウンスイングでヘッドスピードが上がる様にしなければならい訳ですね。

もう一つ大事なことは、スイングは最後まで振り切るようにしないといけないということです。中途半端にスイングしてもミスショットを誘発するだけですので、スイング軌道を安定させ、なおかつきれいなスイングとするためにも最後まで振り切ることは重要な要素となります。

ダウンスイングで最後まで振り切れるような動きと、インパクトエリアでのクラブヘッドの正確な動きがなければヘッドスピードも上がりませんし、飛距離も出ないスイングになってしまいます。

ついでですが、これによる弊害がもう一つ、フォロースルーでビュッと鳴る様にスイングをしようとして、テイクバックを早くしてしまう人が稀にいます。テイクバックはゆっくりあげた方が安定したトップが作れますし、リズムも作り易いのです。テイクバックを早くしても良いことは何もありません。敢えて言えば、暴れるトップを作るには効果がありますけどね。