最近のレッスンから・・・ Part 5

「頭は動いていいのか?」に対する解答です。

前回までにお話しできなかった、「頭は動いて良いのか?」って事についてお話しします。

皆さんもいろいろな雑誌とかで、「スイング軸」という言葉をご存知だと思います。雑誌やレッスン書で、特に最近良く出てくる言葉の一つではないでしょうか。一軸スイングとか二軸スイングとかも、同じ意味での「スイング軸」についての言葉です。(似たような言葉で「スイングセンター」がありますが別です)

今回管理人がお話しする事は、絶対ではありませんし、決して皆さんに押し付ける気はございません。ですが、現在のJPGA(日本プロゴルフ協会)所属・認定ティーチングプロの「レッスン上の基本理論」とされているものである事は間違いありません。夫々のティーチングプロやレッスンプロの教え方によっては、違う言い方や指導があるかも知れませんので、この点を了承された上でお読み下さい。

※日本にはティーチングンプロ、レッスンプロの資格認定組織が7つ程ありますので、夫々の内容・資格の格差・技術力等については、統一されたものではありませんし、また利点や欠点、善し悪し、ランク等に付いて管理人はその判定をするものではない事を申し上げておきます。(この件については別の機会にお話ししますね)

前置きが長くなりました。「ゴルフスイングに於いて、頭は動いて良いのか?」結論としては、左右・上下共に「動いて当たり前」というか、「動かないとおかしいですよ!」ってことになります。(この意見・理論が、大勢を占めています)

頭が動いて良い、その理由の詳細。

それは、ゴルフのスイングに於けるスイング軸が、背中の背骨の外側(体から少し離れている)にあるからです。

簡単にする為に想像して下さい、背骨の腰から首の後ろのところにクラブ(スイング軸と仮定します)を当てて、スタンスを決めアドレスしてみます。この時点では、背中のクラブは体のセンターで、僅かに右へ傾いています※が、頭にすればやはりちょうど真ん中の後ろにある事になります。(※右に僅かに傾くのは、アドレス時は右手が下になって右肩が少し左肩より下がる為)

上記を含め、以後スイングする人の立場での位置関係として記載して行きます。(正面から見ると逆です)

アドレスからスイングを開始して、トップまでクラブを回しました。そうするとスイング軸は背中の背骨後ろですから、時計回りででスイング軸を中心に回ると、軸の右側に上半身は移動しています。当然、頭も軸の右側に来ているはずですよね。

さらに詳細に言うと、体重移動(重心移動)を行うことでスイング軸自体が、この分(体の中心から右足股関節までの距離分)アドレス時より右へ僅かに右へ動いている事になります。また、僅かに右に傾いていた分アドレス時より頭の位置も右下に少し下がっている事になります。(地面に平行には移動しないで、若干沈む感じになります。)

そこからダウンスイングを開始し、右から左への体重移動と反時計回りの体の回転でインパクトを迎え、フォロースルーからさらにフィニッシュまで一気に動きます。

このとき頭は、スイング軸の右側で少し下がっているトップの位置から左側へ、やや上向きに移動してゆきます。インパクトの時点で正面に戻り、さらに回転・移動しながらフィニッシュ時点では、スイング軸の左側でアドレス時点よりやや上の位置に移動してきます。

結果、冒頭で記載しましたように、左右・上下共に「動いて当たり前」というか、「動かないとおかしいですよ!」ってことになります。

では何故、「頭は動かさない」といった間違ったアドバイスが出来たのか?

巷で「動かない方が良い」というのは、プロのスイング写真等でインパクトの瞬間を写したものを見て、誤解している人が多いせいだと思われます。

というのは、インパクトの瞬間は確かに「ビハンド・ザ・ボール」の形になっていて、頭は動いていないかのように見えるからです。ですが実際は、上記の動きで説明したように一連の動きの中の一瞬であり、インパクトの瞬間、頭の動きはアドレス時にほぼ戻っているため、写真に撮るとその瞬間は「頭が動いていないかのように見える」位置にきていることなります。

ということで、皆さん「頭は動かさないように」という誤解から生じた呪縛から、自分を解き放ちましょうね!

動いてもOKですよ!、いや、動かないとおかしいのですよ!。